中小企業家しんぶん 2005年
ネット通販で人気沸騰中!「菓子工房フラノデリス」の理念と戦略
有限会社ルノール(富良野)社長 藤田 美知男 氏

創 業 2001年5月
資本金 300万円
年 商 約5億円
従業員数 17名
 インターネットが急速に普及し、今やパソコンや携帯電話で当たり前に買物をする人たちが増えて来ました。今回、ご紹介させていただく「菓子工房フラノデリス」さんは、インターネットショッピングの分野で急成長を続け、最近では多数のライバルがひしめく「楽天市場」のグルメ部門で、主力商品の「ふらの牛乳プリン」や「ドゥーブルフロマージュ」は上位にランキングされ、女性雑誌等での紹介も多い事からますます注目が高まっています。
 その人気の裏側にはどのような理念や実践があるのか? 富良野地区会8月焼鳥大学で、藤田社長さんにお話をいただきました。

なぜ、富良野を選んだか?

 私は、岐阜の仕出し屋に生まれ、調理師学校を卒業後、大阪や東京、北海道からハワイまで、数々の有名な菓子店で修行を続けました。自分が納得する味を表現し、周囲から認められる存在となるためにも、あえて厳しい環境に身を置き、多くの諸先輩からご指導を受けました。「人が十年かかる事を五年でやろう」との信念を抱いて。
 2001年5月、念願だった菓子店「フラノデリス」を富良野市街にオープンしましたが、単純に「北の国から」に憧れてという理由ではありません。実際、本州での「北海道ブランド」の力は凄いものがあり、おいしい素材の宝庫。そして、富良野の知名度は全国的に高く、強い憧れを持っている人が多いのです。「様々な観点から見ても、富良野は日本で一番条件が揃っている場所だ」と判断し、富良野での出店を決意しました。

どのように広めたか?

 念願のお店を出したものの、最初から売れるものではありません。「みんなに知ってもらいたい!」と「デリスのかわら版」という情報誌を毎月作って新聞に折り込みましたが、かわら版の発信が新商品開発の原動力になり、お客様は徐々に増えていきました。
 また、ホームページでの通販部門は、東京にいる頃から着目していました。単純に「北海道の美味しい食材が届いたら、喜びも膨らむはず」という発想です。今では、ネットでの売上の伸びに勢いがあり、店舗での売上とほぼ同じ比率にまで成長しました。
 しかし、あくまでネットは調べるツールでしかありませんし、ホームページがあるからと言って売上に直結するものでもありません。当店の工夫は、プリンの容器や菓子の包装には必ずURLを入れ、いつでも最新の情報に出会えるようにしています。ホームページの良さは、東京銀座の有名百貨店とも同じ土俵で競える点だと思いますので、小さな画面の中でいかにおいしさを表現できるかが勝負です。当店の販売戦略の中で、ホームページは不可欠の存在となりました。

お菓子づくりの理念、お客様づくりの信念

 常に「商いの原点、味の原点、感動の原点とは何か?」を問いかけながら取り組んでいます。最高の状態で食べていただく事が基本ですので、ちょっとでも時間が経過して味が落ちてしまったものは、たとえ数100個のプリンであっても捨ててしまいます。
 富良野には、たくさんの観光客が訪れますが、「もう1回来てみたい」とリピートする事が大切です。それはお菓子についても同じ事ですが、売れ続けるという保証が何1つ無い中で、「おいしい!」という感動が財産ですし、全てにつながって行くと思います。これからも自分の殻を飛び越えて行きながら、美味しさをお届けしていきたいです。
(例会の2日後に、同友会にご入会いただきました。文責 事務局 境井健志)
ふらの牛乳プリン 有限会社ルノール 社長 藤田美知男氏

このウィンドを閉じる